この度は、息子の事件につきまして、長期間にわたりたいへんお世話になり、最後まで本当に熱意のある弁護をしていただき、本当にありがとうございました。
5ヶ月余り前の早朝、突然の警察からの電話で息子の逮捕を知らされ、あまりの衝撃に言葉を失いました。裁判員裁判になると言われ、混乱のさなか、面会した息子から「弁護士をお願いして欲しい」とだけ伝えられました。息子もそれ以外の言葉が出て来ない茫然自失状態でした。
すぐ次の日に夫婦で弁護士探しを始めましたが、ほとんどの事務所は土曜日で連絡が取れず、それでもインターネットで多くの法律事務所の得意分野や経歴、経験などを調べましたが、=strong>刑事事件に長けた弁護士は地元ではまず見つかりませんでした。そんな中、中村国際刑事法律事務所のサイトに辿り着き、元検事を長く務められ、検察、弁護側双方の立場を熟知され、刑事事件を数多く手がけて来られた中村先生にお願いする以外考えられないと思い、すぐにご連絡させていただきました。
土曜日であったにもかかわらず、午後には依頼の面談に応じていただき、その日の内に留置所の息子へ接見に行ってくださったことは、親子ともども、どれほど心強かったか知れません。
その後、判決まで5ヶ月余りという長い期間でしたが、先生方はコツコツと粘り強く被害者の方との示談交渉を進めてくださり、常識で考えれば許して貰えそうもない状況だったにも拘わらず、被害者様の心情に訴え続け、お許しをいただき、示談に応じていただくことができたばかりか、減刑の嘆願書まで書いていただけたのは、先生方にお願いしていなければ、とうてい無理だったと思っています。
それでも、裁判員裁判という大きな事件です。幼稚で未成熟な若者の犯罪とは言え、実刑は免れないだろうと目の前は真っ暗でした。しかし、先生は犯罪にいたるまでの背景、家族関係、息子の心の闇に光をあて、真の意味での更生の道を説き、裁判関係者に更生の見込みが十分あることを訴え続けてくださいました。
イソップの「北風と太陽」の話、そのものだと感じました。元検事の先生は、弁護しながらも時に厳しく赦されないところははっきり指摘し、叱責し、情状面では温かい眼差しで本人の将来のことも見据えて、説得力のある弁護をしてくださいました。最終弁論の際の裁判員の方々の和やかな表情が、深く印象に残っています。先生のお人柄が、裁判員の方々の心を動かしたのだと確信いたしました。
それでも、判決言渡しの日はとても不安でした。検察側は懲役6年という重い求刑をしていたのです。情の厚そうな裁判長の表情や、言葉の端々、そして裁判員の方々の表情などから、温情判決の希望を捨てずに、祈りながら臨んだ判決でした。裁判長の冒頭の「懲役3年に処する」という言葉を聞いたとたん「あぁ駄目だったんだ」と頭の中が真っ白になってしまい、その後に続く「今後4年の間、執行を猶予するものとする」という言葉がしばらく耳に入らず、呆然としておりました。
その後、頷いてくださる中村先生と目が合い、初めてあぁ執行猶予がいただけたんだ!と胸をなで下ろすことができました。望んではいたものの、一瞬信じられない思いでした。
先生方のお力によって、このような格別の裁量が下され、息子は無事家に戻って来ることができました。温情判決に息子は救われました。
再び人として社会でやり直す機会を与えていただきました。普通に生活し、自分たちとはまったく無縁だと思っていた事件、警察、検察、留置所、拘置所、裁判員裁判、法廷‥‥ そして弁護士の先生方‥‥ そんな関わりの中で、私たち親も子も、多くのことを学び、反省し、祈り、感謝しつつ過ごして来た5ヶ月間でした。家に帰ってきた息子は、まだなかなか現実の生活に戻れずにいるようですが、少しずつ表情も明るくなり、いろいろ話しをしながら喜びをかみしめています。
今回のことで、家族の心の絆が深くなったことを実感しております。先生方のご恩は私ども親も子も、一生忘れません。中村先生のさらなるご活躍をお祈りするとともに、先生方によって人生を、そして命を救われた息子と共に、深く感謝の意を表したいと思います。先生方のご恩は私ども親も子も、一生忘れません。本当にありがとうございました。