迅速な弁護活動により1週間弱で不起訴処分のスピード解決
就職試験においてWEBテスト代行を利用した私電磁的記録不正作出・同供用罪の事案です。
在宅で捜査が進み、検察官調べの際に弁護士に相談することを勧められ、その直後に当事務所にご相談があり、受任しました。
受任した段階で検察官調べが一度終わっており、担当検察官が早く処分を決めようとしていた印象を受けたうえ、年末年始を挟んでしまう危険性があったため、迅速な弁護活動が求められました。
弁護士は受任してすぐに被害を受けた企業の担当者に連絡をし、依頼者本人の反省を伝えるととともに、謝罪と賠償の意向があることを伝えました。企業の方針として、「賠償金を受け取ることはできないが、謝罪には応じても良い」との返答をいただけたので、企業が謝罪を受け入れること、依頼者に刑事処罰を科さなくても良いと考えていること、との内容を盛り込んだ示談書を作成し、早期に示談書を交わすことができました。
また、依頼者本人に、今回自分がしてしまったことに対する反省、初めて刑事手続を経験したことでどのように感じたかなどの内容を盛り込んだ反省文を作成してもらい、検察官に提出しました。
示談交渉の経過、反省文作成の経過などを逐一検察官に報告したことで、検察官は示談の成否を待ち、さらに反省文の内容を考慮したうえで処分を決め、不起訴処分で終結いたしました。
なお、受任から1週間弱でのスピード解決となりました。
事件のポイント
本件が当時世上話題となっていた類型の事案であったこと、検事は年末にはとかく処分を急ぎがちであること、依頼者の検事調べが終了しているなど捜査が相当に進捗していること、検察官が弁護人に依頼するよう示唆していることなど諸般の事情を、処分の時期・見込み等に関する事情として総合的に考慮することができたため、迅速かつ適確な弁護活動を実施することができた事案です。
また、本件のような、企業を被害者とする事案においては、企業の方針として示談を一切受け付けないことも多い中、本件においては、依頼者ご本人に真摯な反省を促した上でその反省状況を企業に理解していただく努力をしたことにより、刑事処罰を科さなくてよいとのありがたいご意見付の示談書を交わすことができました。
そうした状況を逐一検察官に伝えることで、検察官の理解も得て不起訴処分を獲得できました。
事案そのものを適確に把握するとともに、その周辺にある諸事情の意味を洞察し、企業の理解も得る弁護活動を行った結果、早期に寛大な処分を得ることができました。