送致前の迅速な示談成立で不起訴
窃盗の事例をご紹介します。対象者が飲食店で食事後、セルフレジで会計をした際に、別の客(被害者)がとり忘れたおつり数千円がセルフレジに残っていることに気付き、そのまま窃取した事案でした。
結果、早期示談成立により不起訴処分を獲得しました。
事案の内容は、対象者が数千円を盗った様子が防犯カメラに映っており、かつ使用したクレジットカードの名義からも事件を起こしたのが、対象者であることが明らかであったことから、対象者に警察から呼び出しの連絡が入りました。警察からの連絡を受けてすぐに当事務所に相談があり、受任に至りました。
被害者から連絡先を教えていただくことができ、受任後約2週間で示談が成立しました。
送致前に示談を成立させることができたため、送致後、相談者は検察庁から呼び出しを受けることなく不起訴処分となりました。
対象者は事件を認めていたこと、防犯カメラの映像などの客観証拠がはっきりしていたことから、依頼人、弁護人共に捜査に協力することで早期解決を図りました。
弁護人が対象者の初回に取調べ同行し、その場で対象者とともに示談の意向を警察に伝え、早期の示談を目指しました。本人の反省の気持ちを表すため被害者への謝罪文及び反省文も作成しました。
結果として、示談が成立し、不起訴処分に至りました。
事件のポイント
迅速な示談締結は重要で、捜査段階で示談ができれば起訴を回避できますし、より早く、警察から検察への送致前に示談ができれば、検察官は取調べをせずに不起訴にすることがあり、負担も軽くなります。
早い段階で弁護士に相談することが何よりも重要です。
執筆者: 代表弁護士 中村勉