事件の概要
公立中学校内における、生徒に対する暴行、教師に対する傷害で現行犯逮捕された少年のご両親からのご依頼。
少年は、いわゆるADHD(発達障害)に罹患しており、傷害の非行歴1件、喫煙の補導歴1件を有していた。
学校側は厳しい処分を望み、捜査機関も少年院送致相当の意見を出す中、依頼者からは、少年院送致を避けるために全力を尽くしてほしい、という要望であった。
弁護方針
まずは、少年が通院している専門病院の医師に、発達障害に罹患していたことを証する診断書を入手し、今後も継続して治療していただける環境にあることも確認した。そして、少年と少年の両親の謝意を伝え、被害生徒の親との間で、示談を成立させた。
調査官による調査を行い、少年は、個別クラスや少人数クラスにおいては、真面目に集中して勉強に励むことができ、生活態度にも問題がないことを確認した。
鑑別所へも何度も足を運び、今回の事件の原因を分析させ、反省を深めさせ、今後の更生や将来の目標について考えるきっかけを与えた。
本件で一番困難が予想された学校との調整については、面談を計3回実施し、学校長、被害に遭った教師、担任の教師などからヒアリングを行った。
これらを基に、裁判官、調査官に対し、両親、学校、医師の協力によって、少年を更生させる環境が整っていることを強調し、少年院送致ではなく、保護観察処分が妥当であることを主張した。
結果
結果として、保護観察との処遇意見を表明していただくことができ、審判においても、裁判官からの厳しい説諭の上、保護観察処分を獲得した。