報道を避けるため早急かつ即日判決に尽力のうえ執行猶予
事案概要
大学生の対象者が友人数名から頼まれ、大麻を購入した。クラブで知り合った女性と遊ぶことになった際、自家用車内で購入した大麻を女性に渡した。女性が大麻を使ったところ、錯乱状態となり交番に駆け込んだため、対象者の大麻所持が発覚し、逮捕された。
家族から接見先行の依頼を受けたのち受任した。家族は混乱しており、報道や対象者の将来・長期拘束を非常に心配していた。
弁護方針
身体拘束からの早期釈放、事件の早期終結を最優先した。勾留延長を争ったが、準抗告は棄却され勾留が延長された。本件の登場人物が多数だったことが原因と思われる。
勾留満期が連休前の金曜日だったため、金曜日中の保釈許可を目指し、事前に検事に何度も早期起訴を求めた。起訴とほぼ同時に保釈請求書を提出した。数時間後、当日中に保釈許可・釈放となった。
また、公判期日の回数が増えると、対象者の名前が報道されるリスクが高まることから、第1回公判で判決まで言渡しを行う即日判決を求めるとともに、公判期日がなるべく早く設定されるよう交渉を行った。
本件において、勾留満期の起訴は所持していた大麻の一部についてのみであり、その後、訴因変更が予定されていた。検察官に対し、本件を早期に終結させたい旨交渉した結果、訴因変更後に追加で請求を予定しているのは大麻の鑑定書のみであるとの情報を得た。対象者は大麻の量についても争っていなかったため、当該鑑定書に対しては同意意見を述べる見込みであると予想し、証拠開示から1週間あれば公判に臨めると判断した。そのため、検察官に開示予定の時期を聞き、裁判所とも交渉した結果、その約1週間後に期日が設定された。
本起訴分の請求証拠の開示を受けたあとは、すぐに任意開示を行い、多くの証拠を手に入れることに努めた。
同時に、即日判決を求め、被告人質問や情状証人の質問も、審理時間を考慮してコンパクトなものになるよう調整した。
また、対象者を心配する家族からの質問に素早く返答することで、安心していただいた。
結果
執行猶予判決を獲得した。公判では即日判決がなされ、特に報道等もされないまま、事件が終結した。