困難な否認での示談を成立させ不起訴処分を獲得
駅のエスカレーターで女性の臀部を触ったとされる痴漢事件です。依頼者はその場で現行犯逮捕されました。依頼者は定職を有する社会人であったため、早期の釈放が急務でした。
また、依頼者は、女性に当たった可能性はあるが、わざと触ったことはないと被疑事実を否認していたため、嫌疑不十分による不起訴を狙いつつ、否認のまま示談を行うことによる不起訴を目指すかを検討する必要がありました。
まず、身柄解放については、接見先行で接見した際に現場には近づかない旨や今後は事件終結まで実家で生活する旨の誓約書を作成し、裁判所に提出した結果、準抗告が認容され、勾留決定翌日に釈放されました。欠勤が最小限で済んだため、逮捕された事実を勤務先に知られることなく職場復帰することができました。
続いて、示談交渉については、被害者とされる女性の連絡先を入手したため、電話にて示談交渉を行い、否認のまま示談を成立させることができたため、最終的に不起訴処分となりました。
否認事件の示談と本件
否認のままの示談交渉は、被害者とされる方からみれば、「私は犯人に犯罪をされたのに犯人はやっていないと言い張っている、でも前科をつけないために、お金を払うから示談を要求している」と映るため、通常の示談交渉に比べ難易度が上がります。
特に、本件は依頼者に痴漢の前歴があったため(その件については本人も痴漢をしたと認めていました)、その上で否認示談を成立させることは困難を伴うものでした。
しかし、本件においては、電話による示談交渉を繰り返し行い、最終的に否認のまま示談を成立させることができました。