処罰感情の強い被害者と示談成立で不起訴を獲得
公務員である被疑者が出向中、同じ職場の女性とW不倫関係となった後に破局。その後、被疑者は、上記女性が相手を変えて不倫をしているものと邪推し、両名に対し別れなければ危害を加える旨記載した手紙をそれぞれに送付するなどして脅迫したという事例です。
被疑者は、公務員であることから、逮捕・マスコミ報道等となることを極力回避したい旨の意向を示していました。そのためには、被害者2名との示談が必須であると考えましたが、同人らの被害感情が極めて厳しく、示談交渉が難航されることが予想されました。
受任後、弁護人は早期に被害者2名との示談交渉を開始しましたが、予想どおり交渉が難航したものの、示談金額を始め被害者2名の要望をできるだけ受け入れるなどして調整しました。
結果、示談成立に至り、送検後は直ちに検事に対して不起訴相当の意見書を提出するなどし、不起訴処分を得ることができました。
被疑者は逮捕されることなく、現在までマスコミ報道等をされることもありませんでした。
事件のポイント
本件は被害感情の強い二人の被害者との示談を成功させた事例です。
示談は、初めから門前払いで、会ってもくれないケースの場合には示談成立の余地はなく、要件を満たすなら供託など、他の手段をとるしかありません。 しかし、一度お会いしていただける場合には、その場で示談成立に至らなくても何回か交渉を続けるうちに合意の方向に向かうことも多いです。
当事務所の場合、示談の成功率は8割前後と高く、不成立で終わったケースはそのほとんどが門前払いのケースです。
一度交渉のテーブルにつき、粘り強く交渉することで示談成立に至っているわけですが、そのためには何よりも弁護士の人柄が大切なのです。
執筆者: 代表弁護士 中村勉