迅速な示談対応で不起訴
時価合計7万円相当のオートバイのエンジン等を窃取し、逮捕されたという窃盗事例です。
ある日、被疑者の自宅に警察が来て、携帯や事件当時の衣類等を差し押さえ、逮捕されました。その後、被疑者家族からの依頼により受任となりました。
検察官の話によると、防犯カメラには別の日にも被疑者と似た人物が映っているとのことでしたが、被疑者は余罪を否定しておりました。弁護人は余罪の有無を見極めることと、被害者と早期に示談を成立させ、不起訴処分を目指す必要がありました。
結局被疑者に余罪はなく、勾留後数日で被害者との示談が成立し、勾留10日目で処分保留釈放に至りました。その後、弁護人は不起訴処分を求める意見書を提出するなどし、受任して2か月程度で不起訴処分(起訴猶予)を獲得しました。
事件のポイント
窃盗罪は万引きなどの現行犯を除き、ほとんどが逮捕されます。目撃者がいないのが普通で、犯人の同一性立証のため、証拠破壊を防ぐ必要性が高いからです。
本件のような機械、部品、道具の類の侵入盗は、換金目的に繰り返し行われることが多いため、余罪捜査目的もあって逮捕勾留されるのです。
このような事案では身に覚えのない余罪嫌疑を晴らす別件のディフェンスと、本件の示談交渉等の迅速な活動が求められます。
本件は迅速な示談を成立させ、延長無しでの釈放に成功した事例でした。
執筆者: 代表弁護士 中村勉