14歳未満の少年には当番弁護士制度というものがあるのでしょうか。
刑法では、14歳以上であれば刑事責任を問うことができるとしています。そのため、14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年については、触法少年という呼び名で、14歳以上の少年とは別の手続で処理されていくことになります。
この触法少年の事件についても、警察の調査段階から弁護士が付くことができます。そして、弁護士は、警察の調査が適正に行われているかどうかを監視することになります。
東京にある弁護士三会では、一時的に保護された触法少年に弁護士を付けるために、触法調査少年当番弁護士制度が設けられています。これは、児童相談所に一時保護されている触法少年に対して、児童相談所の児童福祉司が弁護士派遣制度について説明を行い、少年が弁護士の派遣を希望する場合には、児童相談所から東京三弁護士会刑事弁護センターに対して当番弁護士の派遣要請の連絡がなされ、弁護士が派遣されるというシステムを取っています。
児童相談所に一時保護される触法少年の数はそれほど多くないと考えられるため、現在のところ、通常の当番弁護士のように待機制を取っておらず、委員会から派遣される形になっています。少年より触法調査少年当番弁護士の派遣要請があった場合には、東京三弁護士会刑事弁護センターからFAXが届き、その書面に従って、少年のいる一時保護所に出動することになります。
弁護士が少年と面会し、少年が選任意思を示した場合には、少年から付添人選任届を取って、担当の警察署の警察官に提出することになります。弁護士費用については、触法調査段階ではいまだ国選付添人制度がないので、私選による受任ができない場合には、子どもの法律援助制度を利用することになります(なお、国選付添対象の刑罰法令に触れる触法事件が家裁送致された場合には、犯罪少年と同じく国選付添人が選任できるため、国選制度が利用できることになります。)。