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観護措置を避けたい場合や、観護措置への不服申し立てをする場合、どのような手続きになるのでしょうか。

観護措置を避けたい場合や、観護措置への不服申し立てをする場合、どのような手続きになるのでしょうか。

観護措置の必要性がない場合や観護措置を避ける必要がある場合、少年が身体拘束されている事案では、付添人は、家裁送致日当日に、家裁送致の日時を事前に確認した上で、送致の時間を見計らって家裁に出向き、観護措置を避けるための活動をすることになります。
まず、付添人は、家裁で少年と接見し、観護措置審判の流れを説明しておきます。観護措置審判は、短時間で行われることが多いですので、少年に自分の言いたいことをちゃんと言えるように指導しなければなりません。そして、審判前に裁判官・調査官と面談して、少年に観護措置を出さないように要請していきます。その後、審判で観護措置が出なければ、少年は釈放されることになります。

それでは、観護措置が出てしまった場合、その決定を争うことはできるのでしょうか。
観護措置決定を争う方法としては、異議申立てという方法と観護措置取消の職権発動を促す申立てという方法があります。
まず、異議申立てですが、少年、法定代理人、付添人は、観護措置決定及び観護措置更新決定に対して、異議申立てをすることができます。異議申立てについては、家裁は合議体で判断しなければならず、その決定には原決定に関与した裁判官は関与することができないとされていますので、観護措置を決定した裁判官以外の裁判官の判断を仰ぐことができます。ただ、裁判官らが検討している期間は、付添人も事件記録を閲覧・謄写できなくなりますので、記録の検討が遅れることにはなってしまいます。この異議申立てが棄却された場合には、憲法違反や判例との相反等を理由として、5日以内に最高裁判所に対して、特別抗告をすることができます。
次に、観護措置取消の職権発動を促す申立てですが、観護措置はその必要がなくなった場合には速やかに取り消されなければいけません。そこで、観護措置決定それ自体を争うのではなく、決定以後に生じた事情や調査の結果などを踏まえて、観護措置の必要性がなくなったことを主張するのがこの申立てになります。この観護措置決定の取消については、少年の側に申立権はなく、あくまで裁判所の職権発動を求める形になりますが、裁判官は比較的柔軟に対応してくれます。ただ、この方法ですと、観護措置決定を出した裁判官が判断する形になりますので、取消の必要性をなかなか認めてくれない可能性もあります。

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