少年事件では、少年の親はどのような役割を果たすのでしょうか。また、弁護士さんは、少年の親のケアもしてくれるのでしょうか
少年事件では、少年の保護者も重要な役割を果たします。そのため、付添人は、少年本人との面会と同様に、保護者と面談や電話で密にコミュニケーションを取ることが重要です。
少年事件では、少年の生育歴や家族史が事件を考える上で大事になってきますので、保護者から少年の生育歴や家族史を聞き取ることになりますが、この際に少年と保護者との関係性等についても聞いていきます。
なぜかと言いますと、少年と保護者の関係が良好な場合には、生育歴や家族史の話が少年側も保護者側もあまり変わらない話になりますが、両者の関係が良好でない場合には、お互いの立場で全く異なる話になることもあるからです。
また、少年事件では、少年だけでなく保護者も精神的に傷つき、苦しむことが多く見受けられます。そして、少年事件においては、保護者の活動も多岐にわたるので、保護者は肉体的にも疲弊してしまいます。
具体的な保護者の活動としては、少年が学校に通っている場合には、学校への対応がありますし、少年が仕事をしている場合であれば、勤務先への対応があります。また、警察や検察、裁判所から連絡が来ることもあり、保護者は少年事件が終了するまで、少年のために奔走することになります。
もちろん、このような保護者の活動は、保護者に少年の問題点を知ってもらうために必要です。そして、少年にとっても、保護者が自分のために頑張ってくれている姿を見ることは、更生の気持ちを促進させることにプラスに働きます。しかし、そうは言っても、保護者によっては、仕事が忙しいこともあって、精神的にも肉体的にも疲弊して、逆に参ってしまう方もいます。こういうことにならないように、付添人は、少年だけでなく保護者の話も十分に聞いてあげて、精神的負担を少しでも和らげてあげる必要があります。時には、保護者が事件から少し離れた話をすることもあるかと思いますが、そのような場合にも、付添人は保護者の方に寄り添っていく必要があります。
また、多くの保護者は、これまでに警察や検察、裁判所といった機関の人間と話したことがありませんし、少年事件の手続をいまいちよく分かっていません。このような状態では、いろんなことに不安を感じてしまうのも当然ですから、付添人は、警察や検察、裁判所からの連絡や調査官との面談などに対して、どのような姿勢で臨むべきかを保護者に詳しくアドバイスしてあげる必要があります。