弁護士インタビュー – 中村弁護士(代表弁護士)
Q.中村先生は中村国際刑事法律事務所の代表弁護士ですが、どのような役割を担っていますか?
A.私が作った事務所ですので、私の実現したい価値というものを個々の弁護士やスタッフの皆さんが一体となって活動して実現できるように全体を統率しています。もちろん重要事件については直接主任弁護人として担当し、公判活動なども積極的に行っています。
Q.具体的な仕事内容を教えてください。
A.私は事務所の経営者なので、仕事の一つとして案件がたくさん集まるようにマーケティング・クライアント開拓・新規分野の開拓といった仕事や経営企画部門の管理、その他人事労務経理の総括責任者として事務所全般の運営をしています。
一方、弁護士として重要事件について、捜査段階・公判段階ともに弁護活動をしています。私が直接たずさわる事件は大きな事件が多いので、アソシエイトの若い先生たちとチームを組んで役割分担をしつつ、全体の弁護戦略を立てて、それに基づいて依頼者の方と話しながらどういう活動が依頼者の方のもっとも大きな利益になるのかということを常に考えて活動しています。そのほかに企業不祥事などの調査案件や刑事告訴案件がありますね。
Q.経営者業務と弁護士業務を二つとも行うのは大変だと思いますが、どのようなやりがいがあるのでしょうか?
A.うちの事務所は検察や警察という法執行機関の行き過ぎた権力行使を抑止して、国民の自由や豊かで公平な社会を守っていくぞというミッションがあります。ですので、たとえば本来在宅事件で扱うべき事案であるにもかかわらず依頼者の方が逮捕勾留された場合、速やかにその身柄が解放されるよう動き、それが実現したときはやはり嬉しいです。あるいは執行猶予判決がつくべき事案で執行猶予判決を獲得したりだとか、それぞれの事件の目標が達成できたときはうれしさ・やりがいを感じています。
Q.仕事をしていて一番うれしかったことを教えてください。
A.やっぱり無罪をとったときですね。まったく身に覚えのない業務上横領事件で逮捕起訴された女性がいまして、その方の弁護を担当しました。なんとか裁判所から無罪判決をいただいて、身の潔白を晴らすことに力を貸すことができたということが一番弁護士冥利につきると感じています。
Q.逆に、苦労話はありますか?
A.有罪率99%の中で無罪をとるのは大変です。本来無実であるのに、あるいは、真実は検察の描くストーリーとは違うのにそれが認められなかったときには自分の力不足に絶望し、落ち込みます。無実の依頼者が誤った判決によって今も服役している方がいらっしゃいます。常に彼のことが頭の片隅にあり、救ってあげられなかったことへの申し訳なさがありますね。また、被害者の方との示談交渉の中で、依頼者に対する怒りをもろに受け止めたりすることもなかなか辛いです。
Q.検事のときと弁護士の今とで何か違いはありますか?
A.検察官から弁護士に立場が変わっておもしろいと思ったのは、被疑者や被告人に一番近い立場にいる弁護士こそが真実に最も近づけるということです。核心を一番知っている被疑者・被告人からいろいろなことを聞くことができます。事件当時にどういう状況だったのか、その後どういう経過で逮捕されたのか、取調べがどういうものであったのかというのは、目撃者や被害者に聞くよりは本人に聞くのが一番です。仮にその人が冤罪に巻き込まれたのであるならば、捜査官の思い違いやストーリーの組立ての過ちは、事件に巻き込まれた本人その人に聞けばすべてわかるんですね。そういう意味では苦労は多いんですけども、一番真相に近い立場に弁護士がいられるというのは非常にやりがいのあることだと思います。
Q.代表弁護士として、アソシエイトの先生や職員に対して何か言いたいことはありますか?
A.時には私からの厳しい指示がありますが、それに喰らいついてきている皆さん、一生懸命やってくれているので、そのことに感謝すると同時に、彼ら自身もやりがいを持ってこの仕事についているのかなと私は感じます。
スタッフにもスピーディーな事務処理が求められていて、一刻を争うような仕事スタンスが必要です。朝から夕方までひっきりなしに電話がかかってくるし、それに対して弁護士の先生とチームを組んで連携しながら一つ一つ処理しなくてはいけない。非常に大変だとは思うんですけど、皆さんよくやっていて、しかも非常にスピーディーかつ正確に事務処理していただいているので素晴らしいなと思います。そういうスタッフやアルバイトの方たちも、やはりやりがいを持って当事務所のミッションを共有しながら働いているのかなという風に感じます。
Q.司法修習生の方にこの職場をお勧めするとしたらどんな点ですか?
A.教育制度でしょうか。起案も事件ハンドリングもクライアントハンドリングも徹底的に指導されます。特に、うちは質の高い起案を常に心がけているので新人のうちは、私や岩崎弁護士に起案を添削指導されます。真っ赤になって返されます。入所仕立ての新人弁護士は8週間から10週間、私につきっきりで一から弁護士業務の徹底指導を受けます。ブートキャンプと呼ばれているのですが、この研修で5キロも体重が減ったアソシエイトもいました。でもその厳しい訓練をクリアして独り立ちした後は、事件も割と全面的に任せますので責任感も磨かれます。
アソシエイトの若い弁護士にとってはこの事務所が刑事事件に特化した事務所で、刑事事件中心の事件処理をやっているので、通常の事務所のアソシエイト弁護士に比べると成長の度合いが非常に速いんです。だからおそらく半年、当事務所で働けば、刑事事件については10年目の弁護士と同等の力がつくと思います。
Q.職員を希望する方に対しては、この職場のどんなことが勧められますか?
A.まずはチームワークですね。うちは一人ぼっちで仕事をしません。パソコンと向き合ってする仕事もありますが、とにかくチームワークが非常に求められ、ああでもない、こうでもないと議論しながら仕事を進めています。人と協力し、役割を分担し、ときには助け合い、一つの目標を共有しながら仕事を進めるのが好きな人には非常に向いている、やりがいのある楽しい職場だと思います。実際に依頼者の方から感謝のお手紙をいただくことも多く、弁護士と一緒になって共有して喜びをわかちあう、そういうやりがいのある職場かなと思います。
次に、これは一般的な話になってしまいますが、職員の方にとっては職場環境は整備されていると思います。福利厚生が非常に充実していますし、スタッフは残業もほとんどありません。土日祭日も完全に休めます。有給休暇も完全に取得していただくようお願いしています。そういう意味では、非常に働きやすい職場なんじゃないかなと思います。ただ、平日のビジネスアワーでは、集中力と正確性が求められるので大変だと思いますが、福利厚生が非常に充実しているので、お勧めできる職場なんじゃないかなと思います。
Q.最後に一言ください。
A.私はこの事務所を大きくしたいと思っています。社会に貢献できるミッションを持っているからで、それを全国に広げて一定の存在感を示し、刑事司法の歴史に残るような社会貢献をしたいのです。東京や大阪だけでなく、名古屋、広島、福岡、仙台、札幌、高松。高等裁判所・高等検察庁が所在している都市にはオフィスをかまえようというスケール感を持っています。そのため一人でも多く優秀な方々がこの事務所に参加していただき、スタッフとともに、ミッションを共有しながら日本の社会のために貢献できる、そのような人材を求めていますので、ぜひご参加いただければと思います。