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サマーアソシエイト参加者感想文M.Hさん(2018年)(東大ロー卒業)

サマーアソシエイト 参加者感想文 M.Hさん(2018年)(東大ロー卒業)

NICDでの2週間のサマーアソシエイトは、あっという間でしたが、非常に濃密な時間を過ごさせて頂きました。
私は、もともと刑事分野に関心があり、学部時代は検察官を進路として考えていました。その後、ロースクールでの授業等を通じて、刑事弁護に興味を持つようになり、検察と弁護どちらの側から刑事事件に携わるべきか悩んでいました。ただ、刑事弁護人が実際に日々どのような活動をしているのか見たことはなく、また、公判傍聴で弁護人の弁論や尋問を見ても良い刑事弁護人とは何かという疑問があったことから能力の高い刑事弁護人の公判を見たいと思っていました。刑事事件を専門に扱う事務所が少ない中で、刑事実務を変えるために純粋なプライベート・ディフェンス・ローヤーの専門家集団として事務所を設立されたNICDに強い関心を抱き、サマーアソシエイトに応募させていただきました。
サマーアソシエイトでは、様々なアサインメントを頂きつつ、8月に他のサマーアソシエイトの方と行う模擬裁判について検事役として関わりました。私は第1セッションで参加したため(下記※)、事件が検察に送られてくるところから始まり、捜査段階に検事がどう動くか、事件の初期に弁護人がどう動いているのかを体験することができました。事件記録を読み、被疑者の弁解録取や取調べを行い、警察(中村先生)にどのような捜査を依頼するかを考えるなど、検察修習かと思うほど、本格的な体験をさせていただきました。ロースクールの授業では捜査段階の流れはあまり教わらないのでさっぱりでしたが、弁解録取など手続きを終えた後や書面を提出する度に、中村先生やアソシエイトの先生方から丁寧なご指導をいただきました。特に印象に残ったのが、勾留請求却下の裁判に対する準抗告申立書の起案です。私の勾留請求書の起案が甘かったこともあり、勾留請求が却下されてしまったので、検事役として準抗告をすることになり、何としてでも勾留をつけるという気合の下、起案をしたのですが、岩崎先生に何度も修正を頂くことになりました。すべての修正が済んだあとの書面と最初の私の起案とを比べると、文章としての読みやすさや説得力がまるで違っていました。
公判傍聴にも何度か行かせて頂きましたが、そこでは、刑事弁護人はこうあるべきだという姿を垣間見ることができました。先生と佐々木先生は、冒頭陳述をペーパーレスでされていました。先生の公判は裁判員裁判でしたが、ずっと先生の方を見て話しを聴いている裁判員もいて、人に聴いてもらう話し方とはこのようなものかと感じました。佐々木先生も、ペーパーレスでの冒頭陳述はその時が初めてとのことでしたが、堂々とされていて、裁判官がメモをとって聴いてくれるよう間を大切にしながら、朗々と話されていました。お二方とも冒頭陳述の最初の一声で事件を端的に説明されていて、分かり易くかつ事件の全体像が掴める説明が印象的でした。佐々木先生からのアサインメントで、ある事件の弁論を考えるというものがありましたが、その際に事件を説明するキーワードを考えるようにと言われていました。冒頭陳述の最初に述べるような端的な説明というのは、なかなか思いつかず、その難しさを感じました。
また、佐々木先生の冒頭陳述は先生も見に来られていて、どうすればより良い冒頭陳述になるのかを後で指導されており、優秀な先輩弁護士の指導を時に受けながら、どんどん能力や技術を磨いているのだと思いました。
来所相談や公判前後の依頼者との打ち合わせの場にも同席させていただきました。認め事件の被疑者の相談の場に同席させていただきましたが、自責の念から顔をゆがめ目を伏せていた相談者が、先生が話を聞いて今後の見通しを説明すると、少しずつ目を合わせるようになっていきました。また、柏本先生が公判後に依頼人と今後の話をする場にも同席させていただいたとき、判決が確定するのはいつかということだけでなく、今後民事裁判を提起される可能性やその場合の損害賠償額、今後仕事を再開する時期など、様々な依頼人の不安や疑問に丁寧に対応していたのがとても印象的でした。依頼者も、先生のことを信頼してとても感謝していました。このような場に同席させていただいたことで、相談者や依頼者がどのような不安を抱いているのか、先生方をいかに信頼し頼りにしているかを間近で感じることができました。
NICDでのサマーアソシエイトを通じて、刑事弁護人の具体的なイメージを掴むことができました。刑事弁護は地道なことの繰り返しという言葉も忘れられません。警察を指揮して捜査できる検察と異なり、自分の足で動いて証拠を集めなければならないということを、裁判所に提出する写真撮影報告書のために撮影する場に同行したときに痛感しました。
また、先生方が、刑事事件を専門にやっている検事と対峙しても恥ずかしくない弁護人でありたい、ということをおっしゃっていたことが印象的です。先生方一人一人の能力が非常に高く、刑事弁護の能力を高めようと絶えず挑戦している事務所だと感じました。また、先生方だけでなく、職員の皆様と先生方のコミュニケーションも多く、和気藹々とした雰囲気の事務所です。先生方も、私がアサインメントに煮詰まっていると参考になる書籍を貸してくださったりと、お忙しい中、面倒を見てくださいました。
今まで具体的なイメージを掴むことができなかった刑事弁護の世界を垣間見ることができ、将来自分がどのような法曹になりたいかも改めて見つめ直すことができましたし、情熱をもって刑事弁護に取り組む先生方のお姿を間近で拝見して、刑事弁護人への憧れが一層強くなりました。2週間本当にお世話になりました。ありがとうございました。

※事務局コメント
NICDのサマーアソシエイト・プログラムでは、第1セッションから第6セッションにかけて模擬裁判(というより模擬刑事手続)のアサインがあり、被疑者逮捕から始まり、勾留請求、起訴、保釈、裁判準備、そして模擬裁判と、刑事手続の一連の流れを疑似体験できる内容となっています。裁判のみを行う一般的な模擬裁判とは異なります。

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