アルバイト経験者(UDさん)の司法試験合格体験記
私は、司法試験を受験する以前から、中村国際刑事法律事務所でアルバイトをさせていただいておりました。法科大学院に通っているころに見かけたアルバイトの一つとして、応募したのです。もともと好きな刑事事件を実際に見ることができると思い、アルバイト募集を見かけたその日に申し込みました。
実際に働いてみて、先生方の起案等や事件が動いていく様子を見る機会がたくさんありました。働くまでは、机の上でしか勉強していたことのないような事件が日常にあふれるようになり、とても刑事事件を身近に感じるようになりました。そして、刑事事件で弁護士を必要としている人がこれほど多くいるのだということにも始めて気がつきました。多くの事件を目にし、どんなに似ているような事件であっても個々の事件毎にそれぞれの「顔」があり、特性があることもアルバイトの中で気づけたと思います。
アルバイトの業務の一つとして、実際に相談電話を受け、事情を聴取した上で相談電話の概要をまとめて報告するといった業務があります。この経験こそアルバイトの醍醐味であり、経験できた体験の中で一番有意義なものだと感じております。どういう事情を聴取するのかといった取捨選択が瞬時に問われるからです。また、そのほかの業務においても、判例のリサーチであったり、刑事系判例百選のまとめ記事を作ったりと、机の上での勉強+αのことができ、自分の勉強としても大変役にたったと思います。
私は、今年3回目の司法試験で合格することが出来ました。2度失敗しながらも、ここまで辿りつけたのは法曹になるという夢を見続けることが出来たからだと確信しています。そうでなければ、志半ばに倒れていたことでしょう。そんな夢を見続けられたのは、まぎれもなく、アルバイトを通じて、先生方を間近に見てきたからだと思います。
過去の不合格の発表直後に飲みにつれて行ってくれたこともありましたし、先生方・スタッフの方皆さんに励ましの声をかけていただいたこともありました。司法試験前には必ず激励会も開いていただきました。そんな人情味のある事務所で働けたことは大変光栄な体験だったと思っています。また、毎年アルバイトから司法試験合格者が輩出されており、その合格者から直接指導していただける機会も整っています。その方々から司法試験合格に向けて数多くのアドバイスもいただけました。そして何より、同じアルバイトの同士は皆、日々司法試験合格に向けて直向きに頑張っています。学校や学年、年齢が異なっていてもこのような同じ境遇にある力強い仲間がいてくれることにも大変感謝しております。
アルバイトと司法試験の勉強の両立に不安な方もいるでしょうが、両者は相反するものではないと思います。教科書や問題集で学んだことがアルバイトでも役立ちますし、逆にアルバイトでの経験が司法試験に役立つこともあると思います。
刑事事件に興味の学生はもちろん、捲土重来を期すべく来年の司法試験に備える方は、ぜひとも中村国際刑事法律事務所での貴重な経験を経ていただきたいと思います。そして、ぜひ祝杯を挙げられることをお祈りしております。