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アルバイト経験者(T.Sさん)の司法試験合格体験記

アルバイト経験者(T.Sさん)の司法試験合格体験記

私は昨年司法試験不合格となった直後の10月から今年合格後の修習に入る今年11月までの間、アルバイトとしてこの中村国際刑事法律事務所でお世話になりました。応募の動機は、折角なら法律実務を覗ける仕事が良いと考えたからです。その実益は思った以上のものでした。
第一に、生きた刑事事件に触れられることです。アルバイトの主な業務は法律相談電話の受付です。困って電話をかけてくる相談者から現状の聴き取りをし、整理の上中村先生にご説明し、お繋ぎします。この各過程で様々な能力を養うことが出来ます。聴き取り段階では電話応対マナーやコミュニケーション能力、さらに構成要件を想定しつつこちらから質問することもあります。説明は端的にすることが望ましいので事案整理能力が鍛えられます。メールでの説明となることもあるので、要点をおさえたわかりやすい文章作成能力が必要となります。これらのいずれもが司法試験ひいては弁護士となってから要求されるものといえますので、非常に価値のあることです。このような経験をできる事務所は珍しいと思います。
第二に、先生からリサーチや問題が容赦なく飛んでくることです。リサーチは忠実にデータ収集するだけではなく、趣旨を捉え、欲されている情報を提示することが重要かと思います。これにより、趣旨を捉えて対処するという感覚が養うことができます。また、問題は、基本書と向き合っているだけでは想像できないような場面の話であったり、典型事例が妥当しない話であったりします。これらについて自分なりに考えて答えることは、司法試験での未知の問題と戦うことと同じです。第三に、アルバイトにはいくつかの特典があります。毎年開かれる刑事法ローヤーサマープログラムに無料で参加できますし、NICDのサマーアソシエイト採用の入口でもあることです。サマーアソシエイトにはアルバイト枠なるものがあるので、アルバイトで経験を積み、努力が認められると、この採用枠の優先権が得られます。また、アルバイト出身合格者による合格者ゼミの機会もありました。
以上が、私がアルバイトを経験して感じ、得られた主要な事柄です。このほかにもたくさんありますが、それらは皆様が直接体験していただければ、と思います。
最後に、本年度の合格という結果は、この事務所での経験がなければなかっただろうとも考えています。皆様がこの事務所での経験を宝物に感じ、合格という結果を得られることを切にお祈り申し上げます。

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