アルバイト経験者(NAさん)の司法試験合格体験記
私は平成28年の司法試験に二度目の挑戦で合格しました。
1度目、不合格になった際、2度目が最後の挑戦だと思って受けると決めた後、一人暮らしであり生活費を稼ぐ必要もあったため、バイトを行いながら勉強することを決めました。その際、法律事務所であれば、バイト先でも法律に触れ合えるため、また刑事事件の現場に触れ合うことで自己のモチベーションも上がると思ったため、NICDでのバイトを始めました。
バイトの業務には主に相談電話対応、リサーチがあります。
相談電話対応では、自分が聞き取った内容を整理して、報告しなければなりません。電話の会話の中でいかに重要事実を拾い端的にいえるかということや、正確性が要求されます。
そのため、電話をききながら頭で構成要件を考え整理する能力や重要事実を見つけ出す能力を身につけられたことは、試験勉強に繋がるものだったと思います。
先生方から事件のリサーチでは、机上の勉強とは違い、生の事件に使えるリサーチをする必要があります。いろいろな文献をあたり、判例を探して、主張の裏付けや参考となる資料を探す、という事件に繋がるリサーチをすることにより、自らにも知識をつけることができ、また達成感もえました。
そして、事務所にいる時間が長いため、何よりも実際の実務で働く先生方の姿を間近に見ることができました。先生方の働く姿をみて、将来へのモチベーションも上がっていました。
また、バイトとして共に働く仲間に同じ受験生がいたことからも、互いに刺激しあうことができました。
さらに、アルバイトの特典として合格者ゼミがありますが、このような特典も魅力的でした。直前に合格した方の生の声を聞けたことは、今後の勉強の指針にとても役立ちました。
バイトに行くことで気分転換もできていた私は、試験5日前までバイトを続けていました。気分転換のみならず、朝にバイトをすることで早起きも身につけることができた上に、事務所の方々みんなが応援してくれたことは本当に心強かったです。試験直前、みなさんが頑張ってと力強く送り出してくださったことは今でも忘れません。
おかげさまで、1年前は試験中も泣いてばかりだったにもかかわらず、今年は1回も泣かずに試験を終わることができ、かつ合格することができました。
これもすべてNICDでアルバイトをしたおかげです。
今となっては、1度落ちたことでNICDと出会い、たくさんの経験ができたとともに素敵な先生方、スタッフの方々、共に法曹を目指す仲間、と出会うことができました。
一年前は一回で受かることができず、絶望的でショックも大きかった私ですが、今思うと、この一年はわたしにとってとても重要な一年であり、この一年があってとても良かったと心から思います。