私たちは果たして「悪い人」を弁護しているのでしょうか?
弁護士法人中村国際刑事法律事務所のホームページにお越しいただき、ありがとうございます。私は、当事務所代表弁護士の中村勉と申します。
刑事弁護と言いますと、「どうして悪い人の弁護をするの?」という、古今東西、常に刑事弁護人が直面する一般の方々からの質問や感想があります。
一方で、ある日、突然、自分の身近な家族が犯罪を起こしてしまったとき、かつて多くの一般人と同じように、上記のような疑問や感想を抱いていた人でさえ、「どうか刑事弁護士に息子を助けてもらいたい。」、「刑事弁護士こそが娘を救える唯一の味方だ。」と思われるに違いありません。「犯罪を起こした息子(娘)は生まれながらに悪い人間なんだから弁護士はいらない。」と心底思う親はいないはずです。
それが親子の自然の情愛というものです。
私たち刑事弁護士は、そのようなご家族の子供を思う切実な願いを心に受け止め、多くの一般の人々、世間と言ってもいいかもしれません、そのような世間から敵視され、恨まれ、国家から訴追され、処罰されようとしているお身内の方の弁護に全力で取り組みます。
何故でしょう?
それは、そのような、子供への情愛に満ちた優しい親によって育てられた子供であればこそ、きっと、自らの罪を悔悟し、被害者の方に心から謝罪したいと切望し、罪を償って更生したいと心から願うような、そんな“善良な人物”に違いないからです。本当はいい奴なんです。
私たちは、刑事弁護活動の中で、彼にそのような悔悛の情が生まれてくる土壌・素地としての彼の生き様や成育環境、親兄弟の愛、あるいは、彼自身のそれまでの善行にも光をあて、良心を取り戻すことに力を尽くしたいのです。
つまり私たちはそのような良心を元々持っていた人が、その本来の姿を取り戻すよう弁護に努め、被害者への真の贖罪の気持ちを呼び起こすよう弁護を尽くすのです。
決して「悪い人」を悪い人のままにして弁護するのではありません。
刑事弁護士 中村 勉