韓国ソウル梨泰院雑踏圧死による死傷事故の刑事責任を代表弁護士がコメント
報道によると、隣国の韓国ソウル市の梨泰院にて雑踏事故が発生し(梨泰院群衆事故)、圧死により死者150人、負傷者も多数発生した痛ましい事故が起こりました。日本人留学生2名亡くなったとの報道に接し、前途ある若者の死に深い悲しみを覚えます。
弁護士として、この雑踏圧死事故の報道に接したとき、真っ先に頭に浮かんだのが、平成13年7月11日に兵庫県明石市で発生した明石市民花火大会の際の歩道橋雑踏事故です。幼い子供を含む11人が亡くなりました。
この明石歩道橋事故の刑事裁判は、国が違うものの我が国と同じような刑事法制をもつ韓国の、今後のこの事故に対する責任追及の行方を占うものとして注視されます。
明石歩道橋事故では、雑踏警備計画の直接の責任者であった明石市幹部、警備会社責任者、明石警察地域担当警察官が起訴され、業務上過失致死傷罪で有罪となりました。
一方、警察幹部の警備本部長、副本部長が不起訴とされ、検察審査会の強制起訴となりましたが、有罪にはなりませんでした。しかし、過失の要件たる予見可能性があったことは裁判所も認めたのです。
今回の韓国ソウル市梨泰院で発生した雑踏圧死による死傷事故でも事前警備計画策定の関係者や現場担当責任者の刑事責任が問われることは不可避であると思われます。
本コラムは代表弁護士・中村勉が執筆いたしました。
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