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非行歴と補導歴の違いとは – 非行歴と補導歴の違いを弁護士が解説

非行歴と補導歴という言葉を聞いたことがありますか。耳にした事はあるけれどはっきりと説明するのは難しいかもしれません。今回は非行と補導について考えた後、非行歴と補導歴の違いについて解説します。

非行とは?

「非行」とは少年(未成年の男女)が犯した犯罪のことです。例えば、少年が殺人を犯した場合、それを犯罪ではなく非行と呼びます。

非行少年とは?

先程述べたように、「非行少年」とは審判に付すべきである少年のことです。
この「非行少年」は少年法の中で下記3つに分類されています。

  1. 罪を犯した少年(犯罪少年)
  2. 刑罰法令に触れる行為をした十四歳未満の者(触法少年)
  3. 次のイ~ロの理由があって、性格や環境に照らして将来罪を犯すまたは刑罰法令に触れる行為をする虞のある少年(虞犯少年)
  4. イ 保護者の正当な監督に服しない性癖がある
    ロ 正当な理由が無く家庭に寄り付かない
    ハ 犯罪性のある人か不道徳な人と交際又はいかがわしい場所に出入りする
    二 自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖がある

補導とは?

補導とは非行(未成年者の犯罪)の防止のための警察活動の総称のことです。駅や繁華街など犯罪が起こりやすいような場所で、必要に応じてその場で行われる街頭補導と、犯罪を未然に防ぐために対象者が改善するまで指導を続ける継続補導があります。

街頭補導の対象は「非行少年」と「不良行為少年」です。「非行少年」は先程述べた通り審判に付すべき少年のことであり、「不良行為少年」とは飲酒や喫煙、深夜徘徊その他自己又は他人の徳性を害する行為(不良行為)をしている未成年者のことです。

補導対象の具体例は飲酒や喫煙、薬物乱用、粗暴行為、金品持ち出し、暴走行為、家出…等、計17個発表されています。警察は補導の際に未成年者に注意をし、場合によっては保護者に連絡をします。継続補導の対象は少年相談や街頭補導に関わった未成年者です。

非行歴と補導歴の違い

非行歴とは非行少年として検挙または補導された履歴のことです。補導歴とは補導された履歴のことですが、各少年の補導歴を厳密に定義すると、補導歴から非行歴を除いたものを言います。この補導歴は成人すると破棄されます。これらのことから非行歴と補導歴は若干違うことがわかります。

逮捕後の流れ

少年事件(非行)が起きた場合、先ず警察による逮捕を受けて警察署や拘置所で拘束されます。次に警察官と検察官による取り調べが行われます。その後家庭裁判所に送致され、審判が行われます。

家庭裁判所は、犯罪少年のうち、死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、検察官送致決定をします。その他の犯罪少年、触法少年、虞犯少年に対する処分には、都道府県又は児童相談所長送致(18歳未満に限る)、保護処分(保護観察、児童自立支援施設又は児童養護施設送致、少年院送致)があります。

非行歴と補導歴の影響について

非行歴は前歴(逮捕された履歴)として残るので、就職活動等で影響等出ることも考えられます。補導歴は該当少年の審判の際に過去の資料として参考にしたり、補導の際に調べられた補導歴によって警察による対処が変わったりする等の影響がありますが、先に述べた通り、補導歴は成人後に破棄されます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。非行歴と補導歴は重さが随分違うように感じないでしょうか。前歴が付くと日常生活で困る部分も多くなるでしょう。そうならないよう、万が一逮捕されてしまった場合には起訴前に弁護士に相談することをおすすめします。

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