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摘発と逮捕や検挙の違いを弁護士が解説

刑事事件の報道でよく見かける「摘発」とは、どのような意味なのでしょうか。また、「逮捕」や「検挙」、「告発」「告訴」とはどのような違いがあるのでしょうか。
本記事では、これらの意味や違いを解説した上、摘発された場合のその後の流れについて代表弁護士・中村勉が説明します。

逮捕や検挙、告発、告訴との違い

摘発とは

摘発とは、一般に、犯罪の事実などの悪事を世間に公表することをいいます。摘発は法律用語ではありません。

報道で「摘発」と聞くと、人が逮捕された様子をイメージされる方もいらっしゃるかもしれませんが、摘発という言葉自体には、逮捕の意味は含まれません。捜査機関が人を逮捕していなくても、ある犯罪の事実をあばいて世間に公表すれば、それは摘発に当たります。

また、これは用語法の違いになりますが、後述する「検挙」という言葉が一般に犯罪行為をしたとされる人物(被疑者)について使われるのに対し、摘発は犯罪事実自体や犯罪に当たる違法な営業をしている店など、人物以外について使われます。

逮捕とは

逮捕とは、捜査機関が、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由のある人(被疑者)の身体を拘束する処分のことをいい、刑事訴訟法第199条以下に定めがあります。

これとは別に、人の身体に直接力を加えて身柄を拘束することも「逮捕」といいますが、これは、刑法第220条に監禁罪と共に定められている逮捕罪にいう「逮捕」のことを指します。

検挙とは

検挙とは、捜査機関が認知した犯罪行為につき、その犯罪行為をした疑いのある人(被疑者)を特定して、警察などへ連れて行くことをいいます。検挙は法律用語ではないため明確な定義はなく、逮捕を含む意味で用いられることもあります。

告発とは

告発とは、捜査機関に対して犯罪事実を申告し、その捜査と訴追を求める意思表示のことです。刑事訴訟法第239条以下に規定があり、告発は誰でも行うことができるとされています。

摘発と告発の違いは、犯罪を公表する相手といえます。摘発は方法を問わず広く世間に公表することです。告発は厳密にいうと、捜査機関に対して申告することなので、一定の手順を踏む必要があります。

告訴とは

告訴とは、犯罪の被害者など法律上告訴する権利を有する者が、捜査機関に対して犯罪事実を申告し、その訴追を求める意思表示のことをいいます。刑事訴訟法第230条以下に規定があります。

告発と似ていますが、告訴と告発とでは犯罪事実を申告する人の立場が異なります。すなわち、被害者本人や法律上告訴する権利が与えられている一定の親族などが行うものを告訴といい、それ以外の第三者が行うものを告発といいます。前述のとおり、告発については誰でも行うことができます。

告訴がないと公訴の提起ができないとされている親告罪(未成年者略取・誘拐罪、名誉棄損罪、侮辱罪、過失傷害罪、器物損壊罪等)では、告訴がなければ、たとえ告発があっても公訴を提起することができませんので、そういった点においては告訴と告発でその効果に違いがあります。

摘発に関する報道

摘発には、脱税事件無許可営業の風俗店の摘発が多くあります。また、売春あっせんなどの事件も多いです。単発的な犯罪行為よりかは、これらのように、当事者が一定期間、巧妙に、あるいは隠れて行っていた犯罪行為を摘発する例の方が多く見られます。
そして、警察が事件の当事者の不意をつく形でいわゆるガサ入れを行い、被疑者として逮捕したタイミングで報道されることが多いです。

摘発された後の流れ

捜査機関による犯罪事実等の摘発後、すぐに当事者及び関係者が被疑者として逮捕されるケースがほとんどです。
警察による逮捕後は検察官に送致され、多くの場合、検察官に勾留請求され、裁判官による勾留決定により、まずは10日間身柄拘束が続くことになります。同時に複数の当事者及び関係者が逮捕されているケースでは、勾留延長といって、最長でもう10日間勾留期間を延長する手続がとられることが多いです。

勾留期間中に、捜査機関は被疑者の取調べを行い、調書を作成しつつ、他の関係者からの事情聴取や、押収物の精査、鑑定、その他報告書の作成等を行っていきます。検察官は勾留期間満了までに、被疑者を起訴するか、不起訴あるいは処分保留として一旦釈放するかを決めます。大きい事件ですと、証拠により嫌疑が十分に認められる限り起訴されることが多いです。

家族の働く職場が摘発されたら

実際には事件に関与していない場合であっても、ご家族も関与を疑われて逮捕されてしまう可能性があります。
もっとも、一度逮捕されてしまっても、事件に関与していないことを捜査機関に理解してもらえれば、嫌疑不十分として不起訴になる可能性はあります。ただ、このあたりは、取調べでの受け答えの仕方によって結果が変わってくることが多々ありますので、取返しがつかなくなる前に、お早めに刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

また、ご家族が犯罪を行ったこと、事件に関与したこと自体は確かで争いようがない場合にも、被害者との示談贖罪寄付等を行うことにより、なお起訴猶予として不起訴にしてもらえる可能性もありますので、この場合にも、検察官が処分を決める前に、お早めに刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

なお、起訴を避けられないような事案であっても、取調べの対応には十分に注意しなければ、通常は、略式罰金といわれる書面のみでの簡易な裁判手続を受けることが可能な事案であっても、公判といって被疑者側にも時間と労力のかかる裁判手続にされてしまう可能性もあります。
したがって、家族が摘発されたら、とにかくお早めに弁護士にご相談ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。摘発されてしまうと、逮捕される場合がほとんどです。そして、一旦逮捕されると、引き続き勾留という身柄拘束の手続がとられ、弁護活動としても時間との勝負という側面が出てきます。
ご家族が摘発されてしまった場合には、すぐに弁護士にご相談されるようにしてください。

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刑事事件は初動の72時間が重要です。そのため、当事務所では24時間受付のご相談窓口を設置しています。逮捕されると、72時間以内に検察官が勾留(逮捕後に更に被疑者の身体拘束を継続すること)を裁判所に請求するか釈放しなければなりません。弁護士へ依頼することで釈放される可能性が高まります。また、緊急接見にも対応しています。迅速な弁護活動が最大の特色です。

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