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元検事弁護士に法律相談 – 元検事の代表弁護士中村が解説

本コラムは代表弁護士・中村勉が執筆いたしました。

検事としての経験は刑事事件弁護で力を発揮する

検事は、捜査、公判(裁判)及び裁判の執行の指揮監督などの仕事を行っています。検事は、いかなる犯罪についても捜査をすることができ(検察庁法6条)、必要があれば自らあるいは独自に捜査をします(刑事訴訟法191条)。警察等から事件の送致を受け、警察等を指揮して共に捜査することもできます(刑事訴訟法193条)。

そして、独自に捜査し、あるいは警察等から送致を受けた事件につき、その被疑者について公訴を提起し、あるいは提起しない(裁判にかけ、あるいはかけない)権限を有しています(同法247条、同法248条)。

公判(刑事裁判)においては、検事は、公益の代表者として裁判所に法の正当な適用を請求し(検察庁法4条)、裁判所に証拠を提出して通常は被告人の有罪を立証する重要な役割を担います。

つまり、検事を経験した弁護士は、捜査手法や捜査タイミング、そして捜査の狙いを熟知しており、起訴不起訴の判断基準や判断要素についても理解し、求刑権限ある検事ですから、判決予測も可能です。

このように、元検事弁護士は、検察全体の思考回路を体得しています。また、検事時代に独自捜査(警察送致事件ではなく、検察独自に掘り起こし立件する事件)を経験した弁護士は、自ら被疑者を逮捕した経験もあるでしょう。一般的には検事は送致事件を扱い、既に警察により逮捕された被疑者の捜査を扱いますが、独自捜査は、警察がやるような捜査を実際に検事が行うのです。実際に、元検事の代表弁護士中村は、独自捜査経験があります。

強制性交等罪を例に

確かに元検事ではなく、当初から弁護士であっても、刑事事件を多数取り扱っている事務所の先生であれば、当然のことながら刑事弁護に関する相当の経験は積んでおられることでしょう。しかし、検事を経験した弁護士には、そのような先生方とはひと味違う特徴があり、強みがあるのです。強制性交等事件を例に、具体的に解説いたします。

SNS等で知り合った女性と昨晩、お酒を飲んだ後、酔ったその女性とホテルに行き、関係をもった。その次の日に「レイプされた。警察に訴える。」とのメッセージを受けたとします。自分としては合意の上の性交渉と思っていたところ、このような連絡を受け、不安になります。

そこで弁護士に相談するのですが、多くの弁護士、刑事事件をあまり扱わない弁護士は、この時点での相談に対して「まだ警察の動きもないので弁護士としては何もできない。警察から連絡があったらまたご相談ください。」と答えるでしょう。民事事件専門の弁護士であっても、国選事件は偶に扱いますが、多くは公判国選弁護であるため、捜査弁護の経験を積んでいないのです。しかし、刑事事件の経験を積んだ弁護士、特に捜査に明るい元検事弁護士は、強制性交等罪の重大性をよく理解しています。強制性交等罪は、痴漢や盗撮と違って、逮捕されます。

逮捕されると、もし被疑者が銀行や公務員、医師その他の社会的地位ある人であれば実名報道がされます。勾留期間も20日間は避けられず、その間にもし示談できなければ起訴されます。起訴後の裁判の判決までにもしも示談できなければ実刑判決となります。前科がなく、普通のサラリーマンであっても刑務所に行かなければならないのです。勤務先は解雇となり、医師等の国家資格もはく奪され、家庭も崩壊します。

長年の経験から捜査を知り、公判を知っている元検事弁護士は、逮捕から判決に至るまでの過程と結果が手に取るように見えるのです。

事案分析能力と被害者の行動推測

さて、元検事弁護士であれば、上記のような強制性交等に関する相談が舞い込んだらどのように行動するでしょうか。
まず、出来事を詳細に聴取します。元検事弁護士は取調べ能力があるうえ、警察や検事がするような、「これは事件性があるか」という発想、観点でヒアリングをするので、ポイントを押さえた聴取を実施します。

そのうえで、強制性交等が成立するかどうかを分析しますが、経験の少ない若い弁護士や民事弁護士であれば、刑法の教科書に書かれた構成要件的な検討をしますが、元検事弁護士は、単に教科書上の成立要件を充たすかどうかではなく、実際に警察が捜査に着手するかどうか、事件性が弱いとして被害届を受理しない可能性を含めて判断します。つまり、リスクにポイントを置いたアドバイスをするのです。

被害者が被害届を出せば警察が捜査に着手するだろうと分析した場合に、次に検討すべきは、果たして被害者が被害届を提出して警察沙汰にするかどうかの予測を立てます。もちろん、被害者にいきなり弁護士が接触するわけにはいきませんから(そのようなことをすると、被害者は『加害者が反省せずすぐに弁護士を立てた』と態度を硬化させ、逆効果です)、相談者の話だけで予測するのです。これも断定できませんので、リスクの問題です。被害者との別れ際の様子、その後のメッセージのやり取りの内容等から予測してアドバイスします。

そして、被害者が警察に被害届を出すリスクが高いと判断したらそれに対する対応方針をアドバイスしますが、実際に捜査を熟知している元検事弁護士であれば、警察が被害届を受理するかどうか、受理したとしていつ頃からどのような捜査をするか、そしていつ逮捕状を入手するか、家宅捜査のための総悪差し押さえ令状も入手するかどうか、いつ家にやってくるかなどを推測し、アドバイスします。

そのうえで、依頼人がどのように行動すべきか、弁護士に何ができるかを説明するのです。具体的には、警察に自首すべきかどうか(否認の場合でも出頭すべきかどうか)といった今後のベストの行動についてアドバイスし、実際に警察に自首ないし出頭する際には同行します。

この判断は、もし自首ないし出頭しない場合にどのようになるか先の見通しがついているからできるのです。示談への影響も考えなければなりません。被害者は自分が苦しんでいるのに、何知らぬ顔で普通に生活している加害者を赦せないと思うでしょう。元検事弁護士であれば、そうした被害者感情もよく理解できるのです。

元検事弁護士の強み

以上、強制性交等の事例からわかるとおり、元検事弁護士には強みがあります。刑事弁護は、大きく分けて、裁判にかけられる前までの捜査開始前・捜査段階の弁護と、裁判にかけられた後の公判段階の弁護の二つに分けられます。

スポーツでもなんでもそうですが、相手を知ることが重要なのと同じように、刑事弁護でも相手を知ることが重要です。
検事は、捜査中の事案につき、裁判にかけるかどうかを決める権限を持っていますから、被疑者・弁護人にとっては「相手」です。また、公判において、裁判官は、検事(と弁護人)が提出した証拠や意見によって被告人に判決を下すわけですから、やはり、被告人・弁護人にとっては相対立する「相手」ということになります。

日本の刑事裁判における有罪率は99%とも言われていることからもおわかりのとおり、検事は捜査段階から有罪に必要な証拠を収集し、これを裁判に提出して有罪を立証し、有罪の意見(論告)を述べて裁判官を説得し、有罪を獲得するプロ中のプロと言うことができます。

元検事の弁護士は、起訴されたら有罪率99%という現実をよく知っています。捜査段階で示談できれば不起訴なのに、捜査段階で示談できず、公判段階でも示談できなかった場合は、実刑なのです。執行猶予ではないのです。執行猶予を飛び越して実刑になってしまうのです。不起訴と実刑のかけ離れた結論となるという現実を知っており、起訴されたら有罪率99%という実態も知っている元検事弁護士は、何よりも捜査段階における不起訴(嫌疑不十分)を目指します。「起訴されたら終わりだ」という認識なのです。そこがただひたすらに「公判で闘う。だから捜査段階は黙秘する。」との弁護方針を安易にとってしまう若手刑事専門弁護士とは違うのです。

被害者心情に配慮した示談活動

捜査・公判のことを中心にお話ししましたが、その前の段階である被害者との示談交渉においても、検事は、捜査・公判において、被害者の事情聴取、証人尋問等を通じてその悲惨かつお気の毒なご心情に直接触れ、共感の元に職務を遂行しています。その経験を持つ元検事の弁護士は、被害者のご心情やその慰謝に配慮した示談交渉を行うことが可能です。ご依頼者の都合ばかりを押しつけることによって示談交渉に失敗するような愚を犯すことはありません。
このように、元検事の弁護士なら、捜査前・捜査段階においても、公判段階においても、ご依頼者のための弁護活動を効率的かつ効果的なものとすることができるのです。

元検事率いる中村国際刑事法律事務所の強み

当事務所はベテラン弁護士2名にけん引されており、所属しているアソシエイトは、常日頃、それぞれが持つ具体的な事案に即し、「検事は、この事案ではこう考えてこのように行動する。だから、こうすべきである。」といった指導を受けています。

このように、当事務所の弁護士は、事案に即し、検事の思考回路、行動パターンを理解していますから、検事との交渉、示談交渉等も含め、ツボを押さえた効率的かつ効果的な弁護活動を行うことができます。

中村国際刑事法律事務所の解決実績

  • 多額の詐欺・電子計算機使用詐欺・業務上横領事件(示談に成功し、不送致、不起訴、又は起訴されたものの執行猶予付き判決を獲得したもの複数あり)
  • 法人税法・所得税法・関税法違反事件(国税査察官出身税理士と協力し、執行猶予付き判決を獲得したものあり)
  • 収賄・贈賄事件(執行猶予付き判決を獲得)
  • 傷害致死事件、誘拐・強姦事件(裁判員裁判事案)
  • 窃盗(クレプトマニアの再犯事件につき、執行猶予付き判決を獲得)
  • 性犯罪・傷害・名誉毀損その他一般刑事事件多数(示談による不起訴処分、執行猶予付き判決多数)
  • 他過失運転致死傷事件、薬物事件、金融商品取引法・公職選挙法・出資法・出入国管理及び難民認定法等違反その他の特別刑法事件多数(執行猶予付き判決、略式命令による罰金を得たもの多数)

中村国際刑事法律事務所所属の元検事弁護士紹介

当事務所には、元検事の弁護士が2名所属しています。
代表パートナー弁護士の中村勉、パートナー弁護士の川瀬雅彦です。

元検事の代表弁護士中村勉からのメッセージ

法曹三者(判事、検事、弁護士)の中で、元検事の弁護士は、ヤメ検とも呼ばれ、ある意味特殊な存在とみるむきもあるようです。

ヤメ検が本当に「特殊」なのかはともかく、元検事の弁護士には、上記のとおり、法律問題でお悩みの皆様のお役に立てる、他にはない特徴があります。その特徴ゆえに時には冷静にかつ厳しめの見通しを述べざるを得ないこともありますが、それでも、事案に即した最も良い解決の道をご依頼者と共に不断に考え、それを目指して精一杯お役に立ちたいと考えています。

まとめ

いかがでしょうか。元検事の弁護士の特徴がお分かりいただけましたでしょうか。刑事事件でお困りの方は、ぜひ当事務所にご依頼ください。

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経験豊富な弁護士がスピード対応

刑事事件は初動の72時間が重要です。そのため、当事務所では24時間受付のご相談窓口を設置しています。逮捕されると、72時間以内に検察官が勾留(逮捕後に更に被疑者の身体拘束を継続すること)を裁判所に請求するか釈放しなければなりません。弁護士へ依頼することで釈放される可能性が高まります。また、緊急接見にも対応しています。迅速な弁護活動が最大の特色です。

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