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半グレとは – 半グレと暴力団の違いを弁護士が解説

「グレる」とは少年や青年が、生活態度が乱れ、反社会的・反抗的な行動をするようになる、不良になるという意味ですが、皆さんは「半グレ」あるいは「半グレ集団」という言葉を耳にしたことがありますか。以下で半グレについて考えていきたいと思います。

半グレとは一体何なのか

「半グレ」とはある作家が「グレーゾーン」と「グレる」といった意味を込めて仮に名付けた言葉であり、新興の組織的犯罪集団を意味し、近ごろ社会に定着してきました。暴走族のOBが成人して都会の繁華街に進出したグループである不良集団「半グレ」は一般人と暴力団員の中間的な存在である存在として捉えられてきましたが、最近の暴力行為の凶悪化から、警察庁では準暴力集団として位置づけています。

暴力団との違い

平成3年に成立した暴力団対策法で暴力団(ヤクザ)は「その団体の構成員(その団体の構成団体の構成員を含む)が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体をいう。」と定義されています。暴力団はピラミッド型組織で親分(組長)に対して弟分と子分が絶対的に服従する序列的・擬制的血縁関係を構築することを特徴とし、この関係によって暴力団の強固な結合を確実なものにしています。

これに対し、半グレにはきちんとしたピラミッド構造がなく、あくまで仲間意識で集団化しております。よって、トップがとられたら下のものがトップになるという事が永遠に繰り返されます。また暴力団員の高齢化が進み、人員が減少している一方で、半グレの構成員は20代から40代の若者が中心で日に日に勢力を拡大しています。半グレにとって暴力団は、基本的に自分たちとは関係ない存在であり、関係があっても、あくまでも自分たちが利用するためのツールとして考えていました。暴力団は、暴対法や暴力団排除条例の整備によって自分たちの活動や交際が制限される中で、若く勢いのある半グレを一般社会へリーチする手段として重宝し、半グレもそれを逆手に取って彼らを利用しながら距離感を保っておりました。

半グレに対する量刑罰について

半グレは、指定暴力団の不当要求を禁止する暴対(暴力団対策法)暴対や暴力団排除条例の対象外です。集団暴行の場合、誰が致命傷を与えた者なのかの特定が難しいし凶器などからも殺意の立証が困難なうえ、暴対や暴力団排除条例が適用されないので殺人罪に問われるケースは少なく、多くが凶器準備集合罪や傷害致死罪、執行猶予が付く場合も少なくありません。その点暴力団に比べて刑期が圧倒的に有利なのです。

警察対半グレについて

警察庁は暴走族「関東連合」の元メンバーと「怒羅権(ドラゴン)」メンバーの一部が暴力を用いて集団犯罪を繰り返しているとして、両集団を「準暴力団」と呼び取り締まることを決定しました。警察庁は、準暴力団を「暴力団のように組長をトップとする上下関係のはっきりした組織ではないが、所属する者やOBが集団で常習的に暴力的不法行為を行う」と定義し「治安を脅かす新たな反社会勢力」と位置づけ、近年ようやくできた組織犯罪対策特別捜査隊の中で調査を続けています。しかし大阪の「強者」が警察に解散届を出して個人で活動するようになり、「ドラゴン」が東アジアに展開するなど今後半グレは日本警察の目の届かない水面下で広く浅く浸透していくとみられています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。半グレは日に日に勢力を拡大しています。私達もいつ半グレの犯罪に巻き込まれるか分かりません。事実半グレの勢力が及ぶ繁華街のバーや風俗店での多額の請求で揉めるケースも多く、振り込め詐欺(オレオレ詐欺)による一般人の被害も増えています。凶悪な暴力や犯罪をしているにも関わらず、「暴力団ではない」という理由で野放しにしても良いのか、今後議論していく余地があります。

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